セキュリティの基本
その黒塗りスクショ、実は元の文字が透けて見えるかもしれません
スクリーンショットの個人情報を、マーカーや四角でサッと黒く塗って共有する。誰でもやったことがあるはずです。でもその黒塗り、本当に「消えて」いますか。「見た目が黒くなった」ことと「情報が消えた」ことは、実は別の話です。
01 「塗った」のと「消した」のは違う
スマホやパソコンの手軽な描画ツールで黒い線や四角を重ねるとき、多くの場合それは「元の画像の上に、別の描画レイヤーを重ねているだけ」です。見た目は黒くなりますが、その下には元の文字や写真がそのまま残っています。
これは今に始まった話ではなく、スマートフォンの標準的な描画(マークアップ)機能で塗りつぶした画像から、元の文字が読み取れてしまう——という報告は、これまでも繰り返し取り上げられてきました。原因の多くは同じで、「黒い部分を描き足しただけ」で、元のピクセルそのものは書き換えられていないためです。
02 なぜ「透けて見える」ことが起きるのか
仕組みを分解すると、こうなります。
- 非破壊の描画:多くの手軽な描画ツールは「取り消し」ができるように、元の画像と描いた線を別々に持っています。保存の仕方によっては、この2つが完全に一体化しないまま画像になることがあります。
- 半透明・低いコントラスト:塗った色が完全な黒でなかったり、画像編集で明るさ・コントラストを変えると、下の文字がうっすら見えてしまうケースがあります。
- 圧縮・書き出しの過程:見た目は真っ黒でも、保存形式やアプリの実装によっては元データの痕跡が残ることがあります。
受け取った側が「悪意を持って解析した」わけでなくても、単に画像を編集ソフトで開いて明るさをいじっただけで、隠したはずの情報が浮かび上がってしまう——という点が、この問題の厄介なところです。
03 本当に消すには「重ねる」でなく「焼き込む」
この問題を構造的に避ける方法はシンプルです。「黒い図形を上に重ねる」のではなく、「隠したい範囲のピクセルそのものを、新しい画像として書き直す」こと。元のピクセル情報を出力先に一切持たせなければ、透ける・復元されるという事故は原理的に起こりません。
私たちは無料ツール「塗って隠す」をこの考え方で作りました。ドラッグで囲んだ範囲を、元の画像とは別の新しいキャンバスへ焼き込んで書き出す方式です。書き出した画像には、黒塗り部分の下にあった元の情報は含まれません。撮影場所などのExif情報も、書き出しと同時に消えます。すべてブラウザの中だけで処理され、画像はどこにも送信されません。
もちろん、どのツールを使っても「塗り忘れ」だけは自動では防げません。隠したい範囲をきちんと囲めているかは、書き出す前にご自分の目で確認することをおすすめします。
04 こんな場面で
- フォームの入力確認画面をSNSやブログに載せるとき
- 問い合わせメールやチャットのスクショを共有するとき
- マニュアルや手順書に、実データの入った画面を使うとき
関連ツール
塗って隠す — 画像の墨消しツール(無料)
ドラッグ操作で指定した範囲を、画像へ直接反映して塗りつぶします。位置情報などの付加情報も同時に削除します。画像はブラウザ内で処理され、外部へ送信されません。
※ 本記事は執筆時点の一般的な技術動向についての解説です。特定の製品・サービスの現在の実装や仕様を検証・保証するものではありません。重要な情報を扱う際は、ご自身の環境で実際に確認のうえご利用ください。